novel -past-

□holy night
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学校がいつもより騒がしい。


理由は明白。


今日がクリスマスだから。


上級生はダンスパーティー。


下級生は食事会。


その2つのイベントが校内で毎年行われているらしい。


僕は、噂でしか聞いたことのない世界。


本来なら、僕は毎年のように、数日前には五老峰に着いて、今頃は母さん手製の漢方茶で体を癒している頃だ。



「んん…」



まだ身体に熱が籠もって、どことなく落ち着かない。


数日前から体調の崩れをこじらせて、弱ったところに風邪をひいてしまった。


体力の低下で、療養のため実家に帰ることもできず、半ば拗ねたようにベッドに横たわり続けた。

 



冷たい水が飲みたい。


部屋の淀んだ空気も破ってくれそうなくらい、冷たくて澄んだ水。

水環境が良好ではないパライストラで望むのはあまりにも贅沢すぎる願い。


だけど、この時期は毎年水に恵まれた故郷に帰省していた訳で、体が本能的に欲してしまう。


父さんや母さんにも、会いたかった。


母さんは、僕が今年帰らなかったことを残念がっているかな。


父さんとは、前に会った時、また小宇宙で話そうと約束していたのに。


冬期休暇の思い描いていた予定が全部つぶれてしまったことに、また頭が悶々とする。
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