過去物語

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豪炎寺の帰って来た夜、円堂は豪炎寺に引っ付いて眠った。
『炎のストライカー』と呼ばれている割に、豪炎寺の体温は低く、体温の高い円堂には心地よかった。
現実世界では、すよすよと眠っている円堂は、夢の中で真っ暗闇の世界にいた。
「ここは…一体どこなんだ?」
真っ暗闇の空間に浮いた円堂は辺りを見回しながら、呟くように言う。
その時、突然空間の一部が輝き始めた。
円堂は眩しく、目を閉じる。
「、堂…円堂…」
光の方から聞き覚えのある声が聞こえた。
円堂は顔を上げる。
光はいつの間にか和らいでいた。
「風、丸…」
逆光ではっきりとは見えないが、声で分かる。
福岡でチームから去った親友、風丸一郎太が目の前にいた。
風丸は黒いローブに身を包んでいた。
「風丸、どうしてお前がここに?
ここは俺の意識世界じゃないのか?」
円堂は風丸の肩を掴み、尋ねた。
「円堂、悪い。
俺は…いや、チームを離れた奴はお前らとは違う方法で力を手に入れて、強くなる」
風丸は告げると、結わえていた髪を解く。そして肩を掴む円堂の手を退かすと光の方へゆっくりと歩いていく。
「風丸?どこにいくんだよ!?おい、風丸!」
円堂は大声で風丸を呼び問うが、風丸は振り向かない。
風丸を追うように、どこからともなく現れた
染岡、半田、マックス達が光の中に消えていく。
「悪いな…円堂」
風丸は一言言うと、光に消えた。
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