◆ガンダム部屋◆

□風邪
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「ゲホッ、ゴホゴホッ……!」
アレルヤは咳き込むと苦しげに呻いた。吐息は荒く、目は潤み、顔が赤い。時たま鼻を啜って、また咳き込む。
紛れもなく風邪の症状だ。
『てめぇアレルヤ!何で風邪なんかひきやがった!お前が風邪ひいたら俺にも影響するに決まってんだろ!』
「そんなのハレルヤのせいじゃないか」
掠れた声で言い合う二人はどちらもかなりだるそうだ。
額に乗った濡れたタオルは当初の冷たさをすっかり失い今は温くなっている。
「風邪なんて…何年振りだろうね、ハレルヤ」
『…覚えてねぇな』
大人しくベッドに横たわりながらアレルヤはハレルヤに話し掛ける。
ベッドの脇には見舞いの品が並んでいた。プトレマイオスのクルー全員がそれぞれお見舞いに来てくれたときに置いていったものだ。みんなが心配してくれる中、ティエリアだけは説教という見舞いの品を置いていった。
「氷水貰って来たよ。タオルそろそろ冷たくなくなってるんじゃない?」
「キュリオス…」
手に氷水の入った洗面器のようなものを持ってキュリオスはアレルヤの部屋に入ってきた。
アレルヤの額に乗っていたタオルをその氷水の中に入れるとしっかりと水気を絞ってまた額に乗せる。ひんやりしていて気持ちよかった。
「ありがとう」
「どういたしまして。ハレルヤ大人しいね」
「すっかり参ってるみたい。体は同じだから」
キュリオスの問いに苦笑で答える。
『参ってなんかねぇ!それより何で風邪なんかひきやがったんだよ。何のために体鍛えてたと思ってんだ』
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