◆その他版権部屋◆

□夢が繋いだ出会い
1ページ/3ページ

泰明の隣を歩いていたあかねは居心地の悪さを感じていた。しかし泰明はいつも通り涼しい顔をしている。
「あ、あの…泰明さん?」
「なんだ、神子」
「気付いてますよね?」
「あぁ」
恐る恐るあかねは泰明に尋ねる。相変わらず表情は崩れないまま微かに頷く気配。
まさか気付いていないのではとまで考えていたあかねはほっと胸を撫で下ろした。
そしてちらっと後方に目をやる。
あかねの視線の先には泰継の姿があった。泰継は泰明のことをじっと見ている。
「気になるのか」
「…少し。だってさっきからずっとですよ?泰明さんは気にならないんですか?」
「全く」
「はぁ…」
泰明への返事と溜め息が一緒になってしまう。
すると今まで前しか見ていなかった泰明があかねを見た。
「そうか、神子は気になるのか。それでは泰継に直接言ってくる」
「え!?」
あかねが声を上げたときには泰明は泰継に言葉を掛けていた。
「泰継、話がある」
「泰明……。なんだ」
二人揃って抑揚のない声で二言三言交わすとあかねを振り返った。
「少し二人きりで話をするから先に行け。すぐ追いつく」
「え?あ…はい、わかりました」
あかねは頷くと二人を気にしながらも歩みは止めず進んで行った。他の八葉達も泰明と泰継を気にしながらもあかねについていく。
一行が見えなくなると泰明は泰継へと向き直った。
「何故だ」
「?」
「何故私を見ていた」
直球の質問。しかし泰継は表情を変えることなく口を開いた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ