◆その他版権部屋◆

□訪問
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「ここが中華連邦か…」
周囲の景色を観察しながらシュナイゼルは飛行艇から降り立った。
ブリタニア帝国の第二皇子を迎えるために集められたたくさんの大宦官達が頭を軽く下げながらも視線はこちらに固定されている。多くの大宦官達に観察されながらシュナイゼルは堂々とその中を歩いていった。
「ようこそ、シュナイゼル殿下」
値踏みするようなたくさんの視線は慣れていたがそれでもその不快感に慣れることはない。そろそろこの視線から解放されたいと思っていた頃に掛けられた声。
声が発せられた方を見るとそこには長く美しい黒髪を持った青年が立っていた。
「私は黎星刻。ここからは私がご案内致します」
「あぁ、ありがとう」
「どうぞ、こちらに」
案内された先にあった車に二人で乗り込むとすぐに車は出された。
「気分を害されましたか?」
「何のことだい?」
「不躾にじろじろと見られてさぞ不愉快だったでしょう?ほっとした顔をなされていますよ」
柔らかく笑んでいる星刻にシュナイゼルは軽く目を見張った。
表情が変わったのを見破られたことは今までなかった。自分はそれほどまでに内心を隠すのが得意だったのに初対面の星刻という青年には簡単に見破られてしまった。
「わかるかい?上手く隠していたつもりなんだが」
「わかりますよ」
「参ったな」
この青年の観察眼は侮れない。シュナイゼルの中で星刻の評価が付け加えられた。
「まだ時間がありますし、どこか観光でも致しますか?ご案内致しますよ」
星刻がちらっと時計に向けたのを見てシュナイゼルも時間を確認した。確かに約束の時間まではまだまだある。
「それじゃあお願いしようかな」
「何か観光したいものなどございますか?」
「そうだな……パンダが見てみたい」
「は、パンダ…でございますか?」
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