◆ガンダム部屋◆

□風邪
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「さっきから言ってるけど風邪ひいたのはハレルヤのせいだよ。キュリオスと一緒に裸で寝るから」
『なっ…!?』
アレルヤの的確なツッコミにハレルヤは何も言えずにぱくぱくと口を動かした。
「こんな季節の変わり目に裸のまま寝ちゃだめだよ。二人がすごくラブラブなのはわかったから…」
「ラブラブなんかじゃねェ!」
ハレルヤは思い切り叫んで勢いのままアレルヤと交代した。叫んだ拍子に元々痛かった喉を更に痛めてしまったようだ。咳き込むハレルヤにキュリオスは水を手渡した。
「そんなに思いっきり否定されると俺も傷つくんだけど」
ハレルヤは一気に水を流し込んでいる。すぐに全てを飲み干すとコップをキュリオスに突き出した。
「元はと言えばキュリオスが悪いんじゃねぇか」
「でも服は着なよって俺は昨日言ったよ?面倒くさいからってそのまま寝ちゃったのはハレルヤじゃないか」
誰かが見舞いに置いていったらしいお見舞いの定番フルーツセットの中のりんごを手に取って皮を剥きながらキュリオスはあくまで事実だけを口にする。
皮を剥き終え食べやすい大きさに切ったりんごをハレルヤに渡すと素直にしゃくしゃくと食べ始める。その姿が妙に可愛く見えてキュリオスはつい意地悪をしたくなった。
「しかも服なんか着なくても暖かいからって言って俺に抱きついてきたのは誰だっけ?」
「……っ」
珍しくもハレルヤは何も言い返さずベッドに自ら沈んだ。キュリオスはりんごを一旦置いてハレルヤの膝辺りに落ちてしまっていたタオルを再び額に乗っけてやる。
『ハレルヤもたまには他人に甘えるんだ。安心したよ』
「アレルヤ!」
『でも二人共夜に裸で抱き合って何してたの?いつもハレルヤが意識をシャットダウンしちゃうからわからないんだよね』
交代してから黙っていたアレルヤが急に喋りだした。それだけの状況を知りながら本当にわからないのはアレルヤの天然故だろう。
「てめぇには関係ねぇだろ」
元々熱のせいで上気していた頬が更に赤く染まったように見えた。
『風邪ひかれると困るんだよね。ハレルヤのせいでまたティエリアに嫌われちゃったじゃないか…』
なんとか仲間と親交を深めようと頑張っているアレルヤだがティエリアにマイスターに相応しくないといつも通りの台詞で責められたことを気にしているようだ。
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