もうひとつの物語

□再会
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あれから、チェギョンとシンは屋上にいた。

シンが階段で泣いているチェギョンの手を握り、屋上に向かったからである。

「私ね。本当の家が何処なのか、知ってたよ・・・」
チェギョンはシンを見つめる。

チェギョンは隠され護られ続けた皇族の1人。
それを知っているのは、シン・皇太后・皇帝・皇后・チェギョンに仕える尚宮と女官達だけである。

「私には双子の弟がいるの・・・本当の家族が・・・」
チェギョンは苦しそうにシンを見る。

「あぁ、知っていたよ。チェギョンは俺の従兄弟である事も・・・」
シンはチェギョンの後ろから包み込む様に抱きしめ、耳元で話す。

「チェギョンの胸元のペンダントを見るまで、確証はなかった」
制服の上から見えるペンダントをシンは撫でながら、続けて言う。

「聖祖(ソンジョ)お祖父様に、貰ったものだから・・・弟と同じものだけど、宝石は青色なんだよ」
チェギョンはシンに話す。

「宝石に細工が施されているな?この模様はユリだよな?」
シンは宝石は描かれているものをチェギョンに聞いた。

「うん。ユリだよ。私のお母様のものだって、言っていたから」
チェギョンは思い出しながら、シンに言う。

シンは何も言わずに唯、チェギョンを抱きしめ続けたのだった。

知っているだけに、シンは心が締め付けられる思いだった。

そして、授業が終わり、宮へと帰る。

チェギョンは、育てられた家に帰らず、宮の方で過ごす事が多くなっていた。

シンが公務があったので、チェギョンは1人で宮殿の庭で散歩をしていた。

チェギョンは後ろから誰かに抱きしめられてしまった。

「姉上・・・姉上!」
抱きしめたのは、イギリスから帰国したユルだった。

ユルの胸にあるペンダントが揺れていた。

「ユル・・・」
チェギョンはユルの腕を触っただけで、黙って抱かれ続けたのだった。

それを遠くから、シンが見ているとも知らずにチェギョンとユルは再会を喜んだ。


★後書き★

ユルとチェギョンの再会させてみましたが、如何だったでしょうか?

あんまり、自信のない小説ですが、楽しんでいただけたでしょうか?

ココまで、読んでくれて、ありがとうございます。

2012.05.23
 
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