過去の記憶

□最終章
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「父さんはこの事を知って?」
チェジュンはシン君に聞く。

「知った上でチェギョンにプロポーズしたんだ。
お前は覚えていないようだけど、俺に直ぐに懐いたんだぞ。
父親がいないのだったら、俺がなってやる!
俺がお前達を守ってやる!って、チェギョンに約束したんだ」
シン君は頬を掻きながら、チェジュンに話す。

「お前は誰の子でも俺達の子だ!」
シン君はチェジュンの肩に手を乗せる。

「うん!そうだね、父さん。
母さん、話してくれてありがとう・・・
僕、母さんで良かった!」
チェジュンは嬉しそうに涙を流しながら言ってきた。

「だって、母さんじゃなかったら、僕って、しんでたかもしれないんだよ」
チェジュンは私がココに来てくれて、育ててくれてありがとうと言ってくれた。

私はチェジュンの言葉に涙を流す。

チェジュンは出生を受け入れてくれたのだった。


時は流れ・・・
私とシン君に孫が出来、大きくなった頃。

「シン君、私を置いて逝かないで!」
シン君は体の衰えで起き上がる事が出来なくなっていた。
私はシン君の枕元でシン君の手を握る。

「ごめんな。チェギョン。
ずっと一緒にいるって言ったのに、俺は情けないな・・・」
シン君は私の涙を拭う様に頬に触れる。

「約束しよう。
未来でもお前を見つけて、結婚するよ。
だから、チェギョン、笑ってくれないか?
笑った顔を見て、見つけるんだから」
シン君は私を笑わせようとしていた。

「うん!
今度は私も貴方を捜すわ。シン君」
私もシン君に約束する。

「絶対だぞ!忘れるな!
愛してるよ。チェギョン・・・」
シン君の手の力がなくなり、安らかに 眠った。


月日は流れ・・・
私もシン君の後を追って、安らかに眠る。
 
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