過去の記憶

□第1章
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ブロロロ、ドーン、ドーン

街を破壊するべく、飛行機が爆弾を次々と落としていく。

時は第2次世界大戦の終わりだった。


「はぁ・・・はぁ・・・」
体を黒くさせ、足の所々を赤くさせ、服も所々に破けさせた少女が戦火から逃れる為、死に物狂いで森の中を走っていた。

少女の周りには他に誰もいなかった。
少女の母、兄弟、友人を逃げている間に亡くしたのだった。
そして、少女の父は戦死していた。

大きな洞窟を見つけ、少女は滑る様に降りていく。
そして、洞窟の奥に辿り着いた途端、少女は力尽き、倒してしまう。

私は目を開けると母親らしい人が私を看病していた。

「お母さん!お姉ちゃんが目を覚ましたよ」
5歳ぐらいの女の子が私を覗き込んだかと思うと、母親の側に行き、報告しに行った。

「良かった!貴女、ココに辿り着いた途端、倒れてしまって、吃驚したわ」
その母親は私に近づいてきた。
その腕の中には生まれ間もない赤ちゃんが抱かれていた。

「私はシン・パク。貴女は?」
パクさんが私に自己紹介してくれた。

「シン・チェギョンです・・・」
私はそれ以上の事が言えず、堰が切れたみたいで、涙が止まらなくなった。
パクさんは何も聞かずに唯、私の背中を撫でてくれた。

私は心が落ち着き、ココまで来た経緯を包み隠さず話す。
そして、1人である事も・・・

そして、私は元気になり、洞窟にいた、子ども達と仲良くなり、勉強を見たり、遊んだりして、私は明るさを取り戻していった。
 
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