もうひとつの物語
□勘違い
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シンはチェギョンとユルを見て、ユルに嫉妬をしていた。
それに堪えきれなくなり、東宮殿に引き返す。
公務を終えて、宮殿内の庭を散歩に行ったチェギョンを呼びに来たのだった。
まさか、ユルがチェギョンを抱き締める所を見る事になるとは、思ってもみなかった。
タイミングが悪く、見てしまったのだった。
「姉上!姉上。やっと、逢えた!」
ユルは嬉しかったのか、チェギョンを抱き締める力が強っていた。
「ユル・・・」
チェギョンはユルの腕に触れる。
「姉、!」
ユルはチェギョンを呼ぶ前に、クルリと振り返ったチェギョンの手で口を塞がれる。
それに驚き、ユルはチェギョンを見る。
「ユル・・・分かって・・・どうして、お祖父様が私達を引き離したのか」
チェギョンは辛そうに、ユルに言った。
「そうだよね。ごめん。姉上、じゃなかった・・・チェギョン」
ユルはチェギョンの言っている意味を理解して、言い直す。
そして、チェギョンとユルは東宮殿に向かう。
この後、何が起きるかも、知らずに・・・。
「なんで、お前がここに来た!」
シンは東宮殿に来たユルの顔を見て、怒り出したのだ。
「なんだよ。シン。あんまりじゃないか・・・手紙に書いていただろう?帰ってこいって、あれは嘘だったのか!」
ユルはシンの態度に怒り出す。
それをチェギョンはオロオロと、シンとユルのやり取りを聞いていた。
「チェギョンが招待してくれたんだ」
ユルはチェギョンの行動を制した。
「バカ・・・」
チェギョンはボソッと呟いた。
シンはユルから、顔を逸らせる。
クックッと笑いを堪えるユルがいた。
シンはそれが何を意味をするのかが分からなかった。
「はぁ、シン君。勘違いしてるよ」
チェギョンはユルに抱き締められていた時、視界の端で、シンを見ていたのだ。
「はぁ?」
シンは訳が分からなかった。
「これじゃあ、姉上の取り合いになるよなぁ〜」
ユルはシンに笑う。
「俺と姉上の誕生日ぐらい、知っているだろう?」
ユルはシンに指摘する。
そこで漸く、シンはユルとチェギョンを交互に見る。
「分かってくれた?シン君」
チェギョンはシンを見る。
「姉弟?・・・」
シンは疑って、ユルを見た。
ユルは王冠の形をした、チェギョンと色違いの青色の宝石が埋め込められた、ペンダントを見せた。
やはり、その宝石は細かい細工が施されていた。
ユルの宝石には、虎が刻まれていた。
「勿論、この事を知っているのは、王族会メンバー以外だよ」
ユルはシンに告げた。
「義弟に嫉妬した?義兄上」
ユルは意地悪そうに、シンを見る。
「悪いか・・・俺だって、嫉妬するんだ。義弟でも・・・」
シンは前髪をかき上げ、そっぽを向く。
それを聞いていた、チェギョンは顔を紅くさせていた。
「ご馳走様。義兄上」
ユルは嫌みの様にシンに言った。
「疑って済まない」
シンはチェギョンとユルに謝る。
チェギョンとユルは軽く笑って見せる。
シンは思わず、ハッとする。
その笑った仕草が似ていると、気付くシンだった。
そんなやり取りを見ていたのは、シンの机の上にいたアルフレッドだけであった。
★後書き★
ユルファンの皆さん、ごめんなさいm(_ _)m
どうしても、書きたくて書いちゃいましたf^_^;
逃走・・・。
2012.05.27