過去の記憶

□第2章
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私は森から抜け出る。

そこで一件の家を見つけ、逃げ込むも、家は手入れされておらず、朽ち果ていた。

誰もいない事は明らかだったが、何者かに荒らさていて、隠れれる状態でもなかった。

そんな家を何件も見ては、歩いた。

そして、綺麗な家に辿り着き、住んでいた為、声をかけ、中に入れて貰った瞬間、安心してしまい、倒れる。

「ここは?」
私は思考がボヤッとしてしまって、呟いた。

「良かった。
貴女、ここに来た時、倒れたの覚えてる?」
目が覚めた時、女性が入ってきて、私に話しかける。

それを聞き、私は次々と思い出していく。

「助けてくれて、ありがとうございます」
私は座る事も出来ず、女性にお礼をする。

「あの・・・チェジュンは?」
私は近くにいないチェジュンが心配で女性に聞く。

「あの子、チェジュンって言うのね。
貴女の弟かしら?
ご両親は?」
女性は私達の事を聞いてきた。

「すみません。今は・・・」
私は涙を止める事は出来ず、女性に見られたくなくて、顔をそらす。

「ごめんなさい。
私ったら、余計な事を聞いてしまって」
女性は我にかえり、部屋から出ていく。

その後、女性は何も聞かずに私を看病してくれた。
女性のお陰で私は元気になった。

私は今までの事を夫婦に話して、住み込みで働かせて欲しいと頼む。
私の事を疑わず、夫婦は快く、私を受け入れてくれた。

私は家事を手伝いながら、不慣れな子育てをしていく。
子育ては夫婦の協力もあって、少しずつ慣れていく。

だけど、食事中の時や何もしていない時、私はビクッとなり、周りを見る。
誰に見られているのでは?と、思ってしまうのだった。

「チェギョンさん、少し息抜きをして来なさい」
ヒョンさんが私に優しく声をかけてくる。

「戦争も終わった事だし、墓参りをしてきたら、どうかしら?
気分が落ち着くと思うのだけど・・・」
ミンさんもヒョンさんの意見に賛同して、私に言ってきた。

私は2人の心遣いに感謝して、まだ歩けないチェジュンを抱いて、森の洞窟に向かう。
 
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