12/06の日記
22:21
薄葬
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嗚呼、どんなに愛しくっても、
全部ここに置いて行かなければならない。
嗚呼、どんなに悲しくっても、
その手を突き放して行かなければならない。
僕が手を伸ばすことなんて、
許されている筈はなくて笑って手を振る。
決して涙を溢すこともなく、
声をひきつらせてすがることもない。
さよなら、ごめんなさい、今までありがとう。
とその他全部をここに置いて行くよ。
貴方達はそんなガラクタを眺めて泣く必要はない。
懐かしむことなんて、
ここにいない僕を語ることなんて、
そんなことはしなくていいんだよ。
無かったことに出来ないのなら、せめて忘れておくれ。
突ついたところから崩れ出す灰色骸骨は、
小さな箱の中で出来るだけ貴方達が幸福になれる夢を見ている。
嗚呼、どうかそれくらいは許しておくれ。
そこに僕がいることなんてひとつも望んだりはしないから。
夜子
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