苦諦詩

□懐古主義
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からんころん。 



そうやって私をあやして下さいな。 



懐古主義だなんて、随分と簡単に言ってくれるね。 



嘘だよ。 



そんなんじゃないよ。



本当は。 



カッコつけてるだけだよ。 



本当は、それさえも嘘だよ。 



本当は、 



もっと、 



もっと、 



随分と懐古主義だよ。 



お母さん、 



ねぇ、懇願します。 



もう一度だけ、私を生んで下さい。 



もう一度だけ、しゃれた産声をあげさせて。 

















夜子。

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