懺悔録
□また明日。
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いつだって、そうだ。
置いていかれるのは、私だけ。
あの人達は、
きっと私がテストで百点をとろうが零点をとろうが、
“ふぅん、そう。”
の一言で済ませる。
興味がないのかもしれない。そうでもなければ、どうやって血の繋がった赤の他人に接すればいいのか解らないのかもしれない。
私も、そうだもの。
あの薄茶の紙切れ数枚さえ頂ければ、欲する物さえ買って頂ければ、親の愛と錯覚する事が出来る。
それくらいの金額をかけてもいいと思ってくれてるぐらいには必要とされているのだと。
ねぇ、
だから、
大好き。
『貴女の好きなようにすれば?』
『はい、これだけやれば満足だろ?』
『どっちの遺伝子が悪いんだろうな。』
『兄も失敗作なら妹も失敗作か。』
『何やらしても、とろいんだから。』
『期待なんかしてないよ。』
『欠陥品。』
『可哀相な俺の子供。』
『興味ないよ。お前が、死のうがどうなろうが。』
『役立たず。』
ねぇ、
家族ごっこは、外出用ですか?
家の中では、悲しい言葉遊びのポーカーゲーム。
数えればきりがないので、
カードは捨てては、掃いての繰り返し。
ねぇ、
私が数えていればいいのは、その身に余る言葉の数ですか、それとも財布の中身だけ?
それが親の愛情と言うなら、
私の世界は、愛だけに溢れている。
ねぇ、
きっと、そう。
そうだと言ってよ。
(こんなに愛されている筈なのに、どちらの遺書にも私の名前だけが見当たらなかった。)
それは、わざわざ名前を書き連ねて気にかける事がないくらい、私が、いい子って事でしょう?
大好きだよ。
お父さん、
お母さん。
本当だよ。
こんなにも、金にまみれてて幸せな家族なんて他にないと思うよ。
(例えば、本当は家計は火の車だったとしても。)
それも、あなた達の流儀で言えばの話しだけれど。
了