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□花街〜ヒース〜
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「あっ…だめ、だめよ…ヒース。んぁっ…」
婦人と言い表すのが最も似合いの女性が今日の客。
「だめ?…どうして…僕にされるの嫌?」
仕事なんだから相手を楽しませないといけない。俺は手を止めて言った。
「そうじゃないっ…感じすぎちゃうの。だから、やめないで…?」
「良かった…」
俺が再開すると彼女は甘えるように身体をすりよせてきた。
(かわいいなぁ…女性って)
仕事の度に俺はそう思う。
「よっ!!お疲れ、ヒース」
「ん…?あぁ、ユリウスか。そっちも終わったのか?」
さっきの婦人を車までエスコートして戻ってくると、同僚のユリウスが声をかけてきた。
「いや、俺はこれからさ。お前はもう終わり?」
「今日はあと2人。じゃ、準備しなきゃだから…また」
「さすが売れっ子だな、頑張れよ」
俺は次の客を迎えるためにシャワーを浴びに私室に戻った。
部屋に戻るとすでに寝室は整えられていて、先ほどの情事がなかったことのようである。
(次の客が詰まってるんだっけ…急がないと)
俺は急いで汗を流して着替えた。
(次は…まりこさんか。じゃあこの間作ってくれたスーツにしよう)
俺はタイトなシルエットのブラックスーツに白のシャツ、黒のタイを身につけエントランスホールへと今日2度目の出迎えに行った。