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□これが俺らの愛のかたち 1
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「ねえデンジ」
「なんだ」
「邪魔」
後ろから抱き付いてくる男―デンジは不服そうに呻いた。
「ブラッキーはいいくせに」
「私のかわいいブラッキーと同列だと思ってる時点でなんか間違ってるよ?」





口を開けばポケモンの話、とくにブラッキーについて。
確かにリオが子煩悩(?)なのは知っている。見ていれば嫌でも分かる。ブランクがあるとはいえ、一応長い付き合いだ。
ブラッキーの毛並みがいいのも、リオの世話の賜物なんだあろう。実際世話している様子を見てきたし。
でも面白くない。わかってたって面白くない。
俺がいるじゃん、と少し思う。
ここには俺とお前の二人きり。恋人なんて言えない間柄だけど、それでも、なあ。


「わっ」
抱きついたまま横に体を転がす。腕の中のリオが驚いたように声をあげた。
「ちょっと! 何してんの!」

ばたばたと動く彼女をがっちりホールド。そしてまぶたを閉じる。
あと少しもすれば、外で遊んでるあいつらが帰ってくるだろう。
彼女のあの黒い騎士様が俺を排除するまで、そのあいだだけ。








停電王子の嫉妬
(それが恋愛感情だなんて、俺も知らなかった)
(小さな独占欲を満たすのは、)




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