Novel:the Embodiment of Scarlet Devil

□紫黒物語
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私がその魔法使いに会ったのは
幻想郷にて紅魔事件と呼ばれる日であった
彼女は敵対している私に対して
敵とは思えない、優しい態度をとった
多分、そのときからだろう
彼女に対してこんな気持ちを抱くようになったのは


「パチュリー様ー」
聞き慣れた声、いつも私を呼ぶ声
「なあに?こあ」
「図書館のお茶の葉が切れてしまっていました…すみません、私が確認しておけば…」
「あら?もう切らしちゃった?」
この紅魔館は、お茶の時間は紅茶と決まっている
本館とこのヴワル図書館のお茶の葉は別々に仕入れる決まりになっていた
そのほうが、お互い疲れないで済むのだ
でも、こういう場合は別…
「本館の紅茶は?レミィにきいてみたら?」
「それが…レミリアお嬢様もお茶の葉を切らしてしまっているらしくて…さっき、咲夜さんに聞いたら」
「あら、そうなの…」
珍しい事もあるものね
「今、咲夜さんが買い出しに行っています………ですのでもう少しお待ちいただけますか、パチュリー様」
「構わないわ」
ていうか、咲夜が買い出し…?
他のメイドにやらせれば良いのに…
まあ…今はそれよりも…早く"助けて"あげないと
「あなたも行きなさい、こあ」
「えっ?何故でしょうか?」
「私はね、あなたの買ってきた紅茶が飲みたいの」
「!!!」
こあの顔が紅く染まる…
「わ、わかりました!あのスピード狂天狗並の速さで行ってまいります!!」
「ダージリンでお願いねー………さて」
私はどこぞのパンチラ天狗並のスピードで飛んでいったこあを見送り、
その視線を足元にやった
「…まりさ、もういいわよ」
「おっ、終わったのか?」
そういうと彼女は私のテーブル下からのそのそとはい出てきた
自分の服をパンパンと叩き、私に視線を向けた
「いやー、参ったねwまさかあのタイミングで来客とは…私も予想がつかなかったぜw」
彼女は魔理紗
あの忌ま忌ましい紅魔事件のあと、彼女はよくこの図書館に出入りしている
本を盗…もとい死ぬまで借りにくるのだ
正直、最初は迷惑だったけど…もう慣れてしまった
語尾のwに意味はあるのかしら…
まあそれより…
「今日はどんな本をお探しなのかしら?」
「おう、今日はあれだ…最近雑草食すのにハマっててな。リサイクル関連の本が欲しいぜ」
「サバイバルでしょ…?日本語くらい勉強しなさいよ」
「それは英語だぜ?w」
「わざとよ。こっち。」
そういって私は立ち上がる
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