Sweets
□君と逢えて・・・
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俺、君に逢えて良かったと思ってる。
今・・・すごく幸せ。
=君と逢えて・・・=
「じゃあな、また明日!」
「おん、おやすみさん」
どうしてだろう。彼は疑問に思った。
今自分の腕から離れ、家路へと向かうブン太の温もりが恋しい。
今離れたばかりなのに、
誰にも触れて欲しくない。俺だけのブン太。
彼に芽生えた「俺以外を見て欲しくない」という気持ち。
「待ちんしゃい!!」
「むぉ?なんだよ、忘れ物か?」
「・・・俺以外の奴に笑わんで」
「はぁ?馬鹿じゃねぇの?恥ずかしいこといいやがって///」
そう言った彼に恥ずかしがるブン太。
それもそのはず。
仁王は言いたいことを言えなかったり、溜め込んだりする癖がある。
普段は絶対に言わないストレートな言葉。
ブン太はきっと仁王の言葉にびっくりしたのだ。
「・・・いやじゃ、寂しいんじゃよブンちゃんが居らん家は」
「ばか、お前のかーちゃん優しいだろぃ?」
「違うんよ、ブンちゃんがえぇ、ブン太だけが良い」
「はぁ、今日は素直だと思ったら我が儘なだけかよ・・・」
「だって「いいよ行ってやるよ」
「ほ、ホントか?!」
「あぁ、その代わりお前が俺ん家に電話入れとけよ?」
「おん!もちろんじゃき!!」
子供のような仁王の笑顔にキュッっとブン太は胸が締め付けられた。
いつも笑わない仁王の笑顔にブン太は弱かった。
「ブン太」
「ん?」
仁王は大事な話をするときは決まって俺をブン太と呼ぶ。
心地よかった。
彼に呼んでもらうための名前だと錯覚してしまうほど・・・
「俺、ブン太に出会えてよかった思とるよ」
「何だよ急に。別れるみてーじゃん」
「別れるわけなか。俺はブンちゃん依存症じゃき」
ブン太に逢えて本当に良かった。
嬉しいも、悲しいも、辛いも俺一人だけで感じなくて良い。
辛いことはブン太が半分持ってくれる。
悲しいときは泣けない俺の変わりに自分のことのようにわんわん泣いてくれる。
嬉しいことは一緒に笑ってくれる。
幸せに疎い俺に幸せを教えてくれる恋人であり、
楽しいこと、感情を教えてくれる先生のような存在かもしれない。
「愛しとぉー・・・ブン太」
囁いた。
きっと大きな声で言ってしまうと壊れてしまうような
儚くて、壊れやすくって、それでもって世界で一番優しい言葉かもしれない。
この愛してるはブン太だけのもの。
「知ってる。てか俺のほうが愛してる仁王のこと」
かわいい顔をして、こんなにも男らしい一言をくれる。
「名前で呼んでくれんかのぉ?」
調子に乗ってみる。
だってやっぱり好きな人には名前で呼んで欲しい。
「わかったよ、雅治。今日は特別だからな」
そういって俺を甘やかしてくれる。
まだ夜は長い。
俺の考えてることを伝えてみたい。
どんな顔するかな?
やっぱり気持ち悪い??
「俺仁王の考えてること知りたい」
どうしてだろう?
君は、俺が言いたいことを軽々と言ってしまう。
うらやましい。
こんなこと思えるのも、考えられるのもブン太と逢えたから。
きっと逢えて居なかったら俺は孤独しか知らずに死んでいたろうな。
君に逢えてホントに良かった。
感謝してる。
だからこれからも・・・
ずっと・・・ずっと・・・