Sweets

□王者立海
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オレの誇りであって、みんなの誇り。
王者という負けの許されない称号。
その大きな気持ちが、言うならチャレンジャーにぶち壊せれた。

1年小僧に。

憎かった。

部長の病気も憎かった。






どうせなら、オレがなればよかったのに。
・・・そうすれば勝てた。絶対に。
王者に次などという言葉はない。
負けは許されない。負けてはならない。学校を背負っている。名前も。みんなの期待も。

ぶち壊された。

たった1校の学校に。

憎憎しい病気に。











血を吐くような努力は、風に流されて消え。
残ったのは・・・血を吐くような苦しみと、行き場のない怒り。

真田が負けた?

信じられなかった。

つらかった。

幸村くんに申し訳なかった。

ちゃんと留守を守れなかった。

オレの3年間が大きな音を立てて崩れていった。





「ブン太!!」

「ぁ・・・・」

「しっかりせんか!」

「してるよ?」

「心配せんでええから俺たちには次はないのもわかっとる」

「そぉだよ!ないんだよ俺たちには!」

「じゃが・・・借りを返す。」

「は?」

「俺たちは誇りを捨て、地を這いずってでも上ってやる」








「全国・・・3連覇じゃ」

「・・・・ぇ」

「もう負けん。負けられない。俺たちの最後の場所じゃ」

「ぉ・・・ぅ」




「じゃから・・・・・じゃから・・・・そんな顔せんで」

「そんなこ・・・と・・・」

「自分を責めるんじゃなか・・・俺が居るけん」

「に・・・・ぉーーーーー」

「おん、俺はここにおるよ」




ホントは悔しかったんだ。
地べたに転げまわって、駄々をこねる小さな子供みたいに認めたくないと叫びたかった。
みんなを困らせるくらい・・・泣きわめきたかったんだ。

怖かったんだ。

誰もオレを受け入れてくれない・・・・そう思ってたのかもしれない。

次がない・・・

これがどうしても怖い。

最後、最後・・・・・








怖すぎて不安だ。








だから仁王に震える体を抱きしめてもらう。


「不安だったんだ。」

「うん・・・何がじゃ、いってごらん」

「負けたオレたちを受けて入れてくれないと思ってた」

「オレはお前が居らんほうが怖い」




そういって仁王の腕に力が入る。




「に・・ぉ・・・痛い・・・」

「すまんブン太・・・俺もかっこつけとる」

「ぇ?どういうこと?」

「俺・・・怖かったんじゃ・・・ブン太と一緒じゃ・・・」









あぁ・・・みんな不安だったんだ。












もう俺たちは負けられない。

全国3連覇はゆずらねぇ。










俺たちの決意
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