short novels
□第零章:運命
1ページ/8ページ
―運命―
気が付いたら、独りぼっち
此処はどこ?
気が付いたら、ずっと走ってる
何故追い掛けてくるの?
小さな女の子は
暗い闇の中にいた
何もわからないけれど
追い掛けてくる生き物から
必死で逃げている
「あっ…」
足がもつれて転んでしまった
小さくて細い体はもう傷だらけで
ボロボロで
とうとう捕まった
「へへへ、こいつさえ手に入ればボスも喜ぶぜ。
そしたら俺も大金持ちだ!!」
「いたい……」
細い黒髪を掴まれて
変な籠に容れられようとする。
いやだいやだいやだいやだいやだいやだ
心ではそう思っても
もう抵抗する力も残っていない
わたし、どうなるの…?
.