〜第二幕:人間界〜

□―序章―
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とある小さな病院内で
今日、新たな産声が響いた。



―――元気な女の子ですよ

その言葉とともに助産師が赤子を母親に預けた。



少し痩せ気味の母親は
涙を流し、しかしその顔は
幸せそうに微笑んでいた。



それはこの日本でなら
当たり前のような
けれど、誰もが奇跡だと感じる光景である。



ただ1つ違ったのは
母親の枕元には夫の遺影があるということ――――




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