天空のカナリア
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あたしは健一の携帯を閉じて すぐに出かける準備をする
もちろん行く場所は
健一がいる ラジオ局
何でか知らないけど…
ショック…というより
何故かイライラしている
なんでかイライラしている
これが嫉妬というやつ
何よ何よ…
男か男かって健一うるさいくせに
健一だって女の人とメールしてるじゃない、
しかも その人と出掛けたんでしょッ!?!?
あたしは お眠中のモモとアイビーの頭を撫で
健一の携帯をバックに荒々しく突っ込む
玄関を出て
自転車に乗り
頭が痛いのを抑えながら
ラジオ局まで向かう
そう 遠くはない距離
今日はポカポカのいい天気
あたしの心は土砂降りで雷鳴ってるけどね（笑）
赤信号になったので止まる
そして、ふと思う
健一と付き合ってもいないのに…こんなことして…………いいのかな…
こんな 怒るなんてこと
付き合ってる人がやることだよね…
それに 健一は女の声優さんを飲みに誘ったんでしょ
だったら あたしが健一にズカズカ言う必要ないよ…
もしかしたら…健一は…この女の声優さんのこと…
そう考えると 急に家に引き返したくなった
あたしって本当馬鹿…
さっきまではイライラして まるで彼女みたいな面して…
ちょっと自惚れてたんだ
あたしが誰より健一の近くにいるから
あたし…自惚れてたんだね…
そうこうしてるうちに
いつの間にか 信号が青になっていた
ここまで来たんだから…
届けるだけ届ければいっか…
あたしはさっきより遅いスピードで自転車をこいだ
さっきに比べ
もっと心の中は土砂降りの雨
、