リカレント・パルプフィクション
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「D・スペード・・・」
「久方ぶりです、ジョット」
暗闇。
その中に白く輝く花。
ああ、これは蓮の花。
輪廻の旅に出るときはいつだって、この花が迎えてくれる。
僕は今、ひとつの生命を終えたのだ。
「どうして、捕まってくれないのだ!」
「・・・私たちの運命なのでしょう」
背後で、先ほどから会話がなされている。
誰だろう?と振り返ると・・・
「綱吉君!?」
炎を纏ったときのような憂いを含んだ瞳の男と、まるで自分に
生き写しの長身の男が立っていた。
「何故・・・あなたがここに!?」
守れたと思っていたのに!
「落ち着け、デーチモの霧よ。俺は綱吉ではない、ジョットだ」
「・・・え?」
駆け寄って間近で見れば、成程よく似てはいるものの他人のようだ。