リカレント・パルプフィクション
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無駄に長い会合を終えて、そのマフィアの所有する建物を暫し
見学させてもらうことになった。
ボンゴレにも必要だと感じた設備は、なるべく用意したい。
特に医療設備に関しては常に最新であるよう配慮している。
「わあ、これすごいですね!」
案内してくれているのは、オレよりも10は年上であろう相手のボス。
当たり前だけど威厳がある。
「そうでしょう。こういう世界に生きていると忘れがちですが・・・
草木を愛でる気持ちを忘れて欲しくないのですよ」
その建物は正方形で、中央が吹き抜けになっている。
その一階部分は庭園のようになっていて、南国のホテルのようだった。
「こういうのもいいかもな、骸」
返事がない。
骸はさっきからずっと、警戒を解くことなく殺気を放ったまま。
「骸!」
強めに呼ぶと、目だけをちらりとこちらに向けた。
「なんです」
「大丈夫だから、もっと落ち着けって!」
「・・・・・・・」
骸は複雑な表情をして、オレにそっと寄り添うように立つことで
言うとおりに殺気をおさめた。
一通り設備を見せてもらい、エントランスに向かう。
「ボンゴレ、今後もご加護をお願いします」
車に乗り込む際、ボスに頭を下げられて慌てて止めようと身を乗り出した
その時。
「綱吉君!!!」
ドンッという衝撃と、渇いた破裂音。
遅れて届いたのは火薬の匂い。