キリリク小説

□可愛い人【中×丹】
2ページ/6ページ

生徒会室‥

俺は生徒会室に入るなり、すぐ扉に鍵をかけた。
カチャ‥と鳴る音に、丹羽の体が一瞬震えるのがわかった。

「な、なんで鍵掛けるんだよ?」
「お前が逃げるからだ」

俺はゆっくりと丹羽ににじり寄る。
それに合わせて丹羽は一歩一歩と後ずさる。
やがて壁で行き場を失うと、丹羽は慌てて口を開く。

「わ、悪かったよヒデ!そんなに怒るなって、な?な?」
「ほう‥それは何に対しての謝罪だ?」
「な、何って…。ほ、ほら!仕事蓄まってるのに出歩いてたから、お前怒ってんだろ?」
「そうだったな…」
「そうだったな…って、他にも何かあるのか?!」
「あると言えば、あるかもな…?」

まだどこかの部に混じって騒いだり、昼寝してただけの方がマシだったかもな。
よりにもよって西園寺か…。

気に入らない…

あいつと話をしていた時のお前の顔といい
俺との扱いのあの差といい…

気に入らない

「丹羽、お前にいいものをやる」
「…?」

◇◇◇

「っ、ななななんだよ、ソレ!?」
「見て分からないのか?」
「そりゃ、わかるけどよ…」
「大丈夫、痛くないようにしてやる。これで……俺のものになれ」

俺が手にした小道具を目にすると、丹羽は羞恥のあまり声も出さずに激しく首を横に振る。

「これで俺がやるべき仕事サボッて遊んでいたって、お前に文句はないよな?」
「だからっ、仕事するって…」
「お前はよく嘘をつくからな」
「ホ、ホントだって!」
「そういう今だって、逃げようとしているじゃないか…」
「お前が寄ってくるからだろ!!」

壁に追いやられた丹羽は、今度は壁に沿って横に歩き始めた。
俺は逃げないように両手を壁について丹羽の行く手を遮る。

「もう逃げられないぞ」
「っ、」
「俺を楽しませてくれるだろ?」
「来るな…」
「たっぷり可愛がってやる…」
「いや、遠慮します…」
「お前に選択の余地はない!」

それだけ言うと俺は実力行使に及んだ。
逃げられないように必要以上に体を密着させる。
膝で丹羽の股下を押さえ込めば、ヤツは身動き一つ出来ない。
その隙に俺は手にしていたものを丹羽の首に回す。
きつくない程度にベルトを絞めると、自分で外せないように鍵をする。

「っ、」

お前に似合うように選んだ『赤』のベルト

逃げないように繋がれた長い鎖…

お前みたいな大型犬には
丁度いいだろう…?
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ