キリリク小説
□これからもずっとあなたの側に【中×啓】
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キ、キキキキス!?
え、キスしたの?
されたの?俺!?
「あ、あの中嶋さん…?」
「なんだ?」
「それってつまり…」
おそるおそる中嶋さんを見つめる。
俺にキスしてくれたってことなんですか…?
う〜〜聞きたいけど聞けない!!
だって、寝呆けててあまり覚えてないもん!
そんなこと言ったら、また怒られそうだし……
「お前はなんだと思っていたんだ?」
「えぇ〜と…その……」
すみません、口が裂けても言えないデス;
中嶋さんからキスしてくれたことなんておそらくない…。
そ、そりゃ…エッチの時とかはしてくれるけど、それでも大抵は俺からのおねだりとか、誘導尋問で言わせられることとかの方が圧倒的に多い。
お、俺のバカァ!!
なんで覚えてないんだよぅ!!
もう一度お願いしたらしてくれるかな?
あ、でもダメだ!それじゃいつもと変わらない!
じゃあ…また寝たフリしたら、してくれるかな…?
ハズないよな…。
あぁ〜……
俺は再びベッドに崩れ落ちた。
◇◇◇
ここは、とあるアパートの一室だ。
俺がBL学園を卒業してから、中嶋さんと住むようになった。
言わば二人の愛の巣……と中嶋さんは思っているかはわからないが、俺はそう思っている。
晴れて鈴菱グループの企業に就職できた俺と、弁護士の夢を追い掛けて大学で勉学を続けている中嶋さん。
それなりに仲良く日々を過ごしている。
………と思う。多分。
「早く食べないと遅刻するぞ」
ようやくスーツに着替えた俺を、暖かな香りが放つ朝食のメニューが待ち構えていた。
今日は焼き魚みたいだ。
中嶋さんが用意してくれた。
朝食は、俺が朝弱いこともあって大抵は中嶋さんが用意してくれる。
その変わり夜はなるべく俺が用意するようにはしてるんだけど…。
って言っても、まだ俺卵料理くらいしか作れないんだけどね………
中嶋さんって、ホントになんでもこなしてしまうからすごいよな……
一緒に住み始めたにも関わらず、未だに中嶋さんの弱点と呼べるものが見つからない。
なんか同じ人間としてそれって……
………ズルいよな。
まぁ、そこがカッコいいんだけど!!!