キリリク小説

□お前のせい【丹×中】
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生徒会の仕事が終わったあと、俺はヒデを飯に誘った。
ちょっとでもヤツのご機嫌を取り戻すためだ。
だが返ってきた返事は…

『まだやっておきたいことがある。先に食っていろ』

だとよ。
そのあと時間を置いて風呂に誘ってみれば、

『今は忙しい。他のヤツでも誘え』

って、何だよソレ!?
感じわりぃよな…

更にそのあと時間を置いて部屋に行ってみれば、

『何か用か?今から風呂に行くんだが‥』

って部屋出て行っちまうし!!
もしかして俺避けられてんのか?!
昨日のことでまだそこまで怒ってんのか‥?アイツ……

なーんかムカついてきた。

こうなったらアイツが風呂から帰ってくるまで部屋に居座ってやる!!


そして俺はヒデが戻ってくるのを待った。



数十分後……

ヒデはようやく部屋に戻ってきた。
俺の姿を見て開口一番、

「なんだ、まだ居たのか」

そう告げた。

「……………」

俺は何も言えずに絶句した。
まぁ、心のどこかで予想していたこともあって、すぐに立ち直る。

「お前、今日ずっと俺のこと避けてただろう!?」
「何がだ」
「何がじゃねぇよ!いろんな理由つけて避けてたじゃねぇか!」
「はぁ…………。お前がそう思ってるんならそれでいいんじゃないのか?」

なんだよソレ!?
しかもまた人を小馬鹿にしたようなため息まで吐きやがって!

「お前、まだ怒ってんのかよ。昨日の……」
「そうだな…」

それだけ言うと、ヒデは俺の側に近づいては、しゃがみこんで顔を覗き込む。

…?

言葉とは裏腹に表情はどこか優しげな顔で笑っている。
風呂上がりのせいか、それはいつも以上に色気を帯びていて、一瞬ドキリと心臓が跳ね上がってしまう。

「な、なんだよ?」

更に腕を伸ばして俺の頬を包み込むと、目と目がパチリと合い、感覚がマヒされたかのように身動きがとれなくなる。

「??」

そろりと指先で目元を撫でられると、更にヒデが優しく微笑む。
俺はゴクリと生唾を飲んだ。
そして……
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