キリリク小説
□お前が好き【中×丹】
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‐BL学園校舎裏‐
「ちょ…!ヒデ…こんなとこで…!誰か来たらっ」
「お前が声を抑えていればいい話だ」
「そういう問題じゃ…!」
この状況に陥る、それは数分前の出来事…──
生徒会の仕事が嫌で逃げ回っていた俺は、運悪くヒデに捕まった。
その後、延々とヒデからのお小言をくらうハメとなったわけだが……。
しかし言われることの内容などたかがしれている。
毎回同じことだからな…
だから俺もつい「あーハイハイ」な態度で聞いてしまったのが悪かった。
それがきっかけとなり、ヒデを怒らせ、鬼畜スイッチがONに変わってしまったのだ…。
「よせっ…」
やや切羽詰まった声で俺は訴える。
しかしヒデは全くもって様子が変わることもなく、俺を建物の壁に押さえ付けた。
「ほら、早く脱げよ」
「っ、テメ…人の話を聞け!」
こうなってしまったらヒデは手に負えない……
こんな場所、滅多に人が通るような所でもないが、可能性としてはゼロではない。
もし誰かに見られたとしたら、明日中にはもう可笑しな話題で持ち着られることは間違いない。
生徒会の会長と副会長である俺らの立場としては、さすがにそれは冗談にしても笑えない。
いや、現実的に冗談ではないからこそ笑えない。
……………
そんなことを頭の隅で考えていたら、ヒデがニヤリと不適な笑みを落とした。
「なんだ?俺に脱がせて欲しいのか?だったら最初からそう言え…」
はぁ!?いきなり何を言い出すんだこいつわ!!
俺はヒデの勝手な都合の良い解釈に焦りだした。
「バッ!違うって!だから…ちょ!まっ…」
ヒデは俺の衣類に手を掛けた。
ジタバタと抵抗しつつも、ヒデは器用に俺のネクタイやシャツのボタンを解いていく。
「別に俺は誰に見られても構わんが?お前だって……実はその方が萌えるんだろ?」
「っ、勝手なこと…、ばっか言ってんじゃねぇ…!っあ…」
次第に前を剥がされ、素肌が幾分か露出された頃…。
ヒデは俺の肌に直接手を触れてきた。
必要以上に撫でられ、俺は逃げるようにその手をかわす。
けれど……
あいにく俺には逃げ道がない……
そんな追い込まれた状況に陥った、その時………
ヒデの背後の方で聞き慣れた声がした。