キリリク小説
□サクラサク【中×丹】
1ページ/9ページ
今宵は満月。
桜満開。
これ程の花見日和はないだろうってくらいの花見日和だ。
せっかくだから大勢で楽しみたくて、
『来たい奴らは勝手に来い!』な企画を急遽立てたところ、ざっと20名そこらの人数がそろった。
校舎から少し離れた敷地のココは、毎年それはそれは見事に咲く桜の大木がある。
灯りが通りにくい場所ではあるが、学園の方でも考慮して一定期間だけライトアップをしてくれている。
月明かりも増して周囲の桜もほのかに光り、実に幻想的だ。
今日はその木を囲んで、皆各自持ってきた食い物と飲み物で勝手気ままに騒いでいるわけだが………
実に皆楽しそうにはしゃいでいる。
「は〜い!今からこの500mlのペットボトルのコーラ、一気飲みしまーす!」
「おー、やれやれ〜!」
遠巻きにそれを眺めているだけでも場の雰囲気に妙にテンションが上がってしまいそうになる。
名前も知らないような奴らも、学年の違う奴らも関係ない。
好きにこうして集まってバカ騒ぎする機会なんて滅多にないからな。
悪くないだろ、こういうのも…
ま、ハデなことしでかしてくれなくれば俺的には何やっても構わないが……
当然のごとく、
こういう場には必然的にアレが出回ってきたりする……
「お、お前何飲んでんの?」
「いいもの♪」
「ズリ〜!俺にもわけろ!」
「あっちでヒロシが配ってたぜ?」
「マジ!?俺貰ってくる!」
そう、花見には付き物の…
アレ。
「会長〜!会長も入って下さいよ〜」
遠くで滝が俺を手招きしている。
何やらゲームを始めるようで、周囲には滝を含め6人の生徒が円をつくっていた。
「お?何やるんだ?」
「ロシアンルーレット〜♪」
「へぇ、面白そうじゃねぇか」
「じゃあ〜はい、コレ」
そう言って参加者の中の一人がオレンジジュースの入った紙コップを人数分、目の前に配り始めた。
次に割り箸のような棒が入った筒を差し出される。
そしてゲームの解説をし始めた。