キリリク小説

□束縛【中×啓】
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まさかこんな人だったとは、思いもしなかった。

始めは優しく接してくれていたあの先輩は、どこに行ってしまったのかと思う程に……

あの人は変わってしまった…

いや、俺がこの人を知らな過ぎただけ…








純粋に憧れていた時間は、
もうとっくに過去のもの。

俺は、裏切られたんだ…─


◇◇◇



───…お前、変わるぞ







あの時から、確実に俺の人生の歯車がおかしくなった。

毎日毎日、この中嶋英明という人物に振り回されている。

他人の前では平然としているくせに、二人きりになると彼は豹変する。

嫌がらせとしか思えない行為の数々…。


そして今日も…

彼は何食わぬ顔で俺を抱くんだ…───















「っあ、はぁ!中、嶋…さん、や…め…!」
「お前の体はそうは言っていない」
「んあ、ぁ…」
「イキたくてたまらないだろう?」



中嶋さんの手に弄ばれ、俺の体は悲鳴をあげていた。
前を激しく扱かれ解放を望んでいた俺の体は、今度は戒(いまし)められ、出口を防ぎ止められていた。
それを幾度となく繰り返され、もうわけがわからず嬌声しか口をついて出てこない。




…………


もう何度目になるのだろう…

こうして一方的に体を弄ばれ、屈辱と憎悪しか残らない感情。
愛なんて呼べる生温かなものは欠けらもない。

何度も逃げようと試みた。
それでも…

この人から逃げ切ることは出来なくて…

逃げた分だけ仕打ちがくる。

もう、強姦以外の何ものでもない……



「っ!!」


ドクンッ!!






「はあぁあ!!っンン!」


それでもイカされてしまう。

この体は、重ねる度に慣らされている。

それが…
自分でも絶えられない

だから、強く思う…


心だけは、
決して手放さないと………
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