キリリク小説
□それが全てで…【中×丹】
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深夜…
静まり返った俺の寮の部屋で、妖しくベッドの軋む音が鳴り響く…
「っ、はぁ、ぁ!ヒデ、テメ!もう少し、抑えろって!…っん!」
「黙れ」
乱れる呼吸で声をからしながら、丹羽は俺の腕に弱々しく手をかけた。
そこから伝わる奴の体温の熱さに一瞬どきりとさせられる。
ただでさえコイツの声はよく響く。
周りが寝静まったこの時間では、誰かの耳にその声が届いてしまったとしてもおかしくはない。
俺的には全く構わないが、後々変な噂でも流れるもんなら、我慢出来ずに辺りに騒ぎ散らし暴走するのはコイツだ。
その時の光景が嫌でも目に浮かぶと、考えただけでも数倍…いや、数百倍疲れてくる。
だったら、黙らせてしまった方がいい。
己の口で、
その唇を塞いで…
「ンン!…っ、ん…」
塞いだ唇から更に舌を入れて絡ませれば、もはや抵抗することも出来ない。
…ほら、静かになった。
…コイツとの体の相性は良い方だと思う。
事を重ねるごとにやみつきになっていく。
思い返せば、当初は強姦と呼べる程のひどい有り様だった。
仕方ないと言えば仕方がないことだ。
男として生まれてきたからにはお互い譲れないものがある。
どちらが女役をやるか否かで散々揉めた挙げ句に、俺は実力行使に及んだ。
嫌がるコイツを無理矢理押さえ付けて……
今となってはそれもほんの少しで済むようになったが、思うところは一緒なので抵抗する様は変わらない。
だがそれを押さえ込むのも一つの楽しみとも言える。
暴れれば暴れるほど、自分のものに出来た時の達成感は大きい。
しかし何だかんだ言いつつも丹羽の方は流されやすい体質になってきている。
初めはギャーギャーとうるさいものの、慣れてくればこうして大人しく俺に身を委ねているのだから、可愛いもんだ。