キリリク小説
□好きなら好きと…【中×丹】
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近頃、気になり出し始めた奴がいる。
別に最近知り合ったってわけでもないのに…
というかむしろ、一番近くにいたであろう存在。
そう、なんだかんだ言って、奴とは知り合って彼此2年は過ぎた。
なのになんで今更…
原因は不明。
どこが気になるのかもわからない。
ただ、なんとなく気になって見てしまう。
この感情がなんなのか…
最近なんとなく気付き始めてしまった…
今までは堅物のパートナーとしか思っていなかったのに…
気付けば毎日、
お前の事ばかり考えている…。
◇◇◇
‐生徒会室‐
放課後…
いつものように啓太が手伝いに来てくれていた。
今、何やら中嶋と書類を片手に話している最中で…
俺はそんな様子をいつもの定位置から頬杖をついて眺めていた。
あの中嶋相手によく逃げも隠れもせず仕事してくれているな、と…啓太にはつくづく感心する。
中嶋も中嶋で、啓太には少しは心を開いているように見えた。
今までもアイツには尊敬の眼差しや興味を抱き近づいてきた奴が何人かはいた。
けれど、それも長くはもたなかった…
自分にとってなんの利益もないと判断した奴らには、中嶋は容赦なく切り捨てる。
そんな中、物怖じもせずいられる啓太は大物だ…
あれは啓太の人柄の良さ、もしくは才能の一部なんだろうな……
「…」
啓太が来た頃は、俺も頼れる後輩が出来て嬉しかった。
けど、俺が中嶋に対してよからぬ感情を抱き始めてからは…
なんか複雑だ。
今までは二人きりだったのにな…と思う半面、気まずい思いをしなくて助かった…と、安堵する時もある…
良い意味でワンクッション置いてくれているんだ。
俺にとって啓太の存在は……
もちろん、仕事面でも効率が上がって大助かりなんだが……
効率が上がれば上がるほど、落ち着かなくなっている自分がいるのも確かなんだ。