キリリク小説

□君の側で…【岩×啓】
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大好きな人と過ごす休日…──

今日は、11月にしてはとても温かく、過ごしやすい陽気の天気となった。

さて、
今日はどこに行こうか…?



◇◇◇

「…ってことで、あの時は王様、篠宮さんにだいぶ怒られていたみたいですよ?」
「どうりで、騒がしかったわけだな…」



昼下がりのそこは屋外…

啓太は、昨日の放課後の出来事を岩井と話している。

昨日の放課後は大変賑やかだった。
というのは…
まぁ、結論から言ってしまえば…
丹羽が野球部に交じって遊んでいたら、勢い余って教室の窓ガラスを一枚割ってしまったのだ。


「そのあとは仕事のことで中嶋さんに怒られてました…」
「俺が見た時は、西園寺にちょっかいを出してやはり怒られていたな」
「あ、俺もそれ見てました!寮の玄関のとこでですよね?!」
「あぁ…」
「王様っていつも誰かに怒られてますよね…」
「丹羽はトラブルメーカーだからな…」


ベンチに腰掛けながら、岩井とそんな他愛のない会話をする。

今日は学園島を抜け出し、啓太と岩井は近くの公園までやってきた。

調度今は紅葉シーズン真っ盛りで、黄色や赤のグラデーションがそれは見事に彩られていた。
岩井は啓太の話に相づちをうちながらも、目の前に広がるそんな景色をスケッチしている。


「紅葉、調度良い頃でしたね」
「あぁ…見事だな」
「良い絵が描けそうですか?」
「…。あぁ……」



返事とは裏腹に岩井の表情は暗い。


俺、なんか気に病むことでも言っちゃったかな…?

啓太はそっと岩井の顔色を伺い見た。

「すまない…啓太。その…デートらしいことも出来なくて……つまらないだろう?」

あぁ…なんだ、そういうことか…


啓太は安堵のため息をつく。
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