小説(短編)

□雨が降れば…【丹×啓】
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今日の天気予報は雨マークが並んでいた。
“お昼過ぎには土砂降りの雨になるでしょう”とお天気のお姉さんがにこやかに告げたままの天気となった。
ホントなら今日は王様と釣りに出かける予定だったのに、それもこの雨じゃ…。
俺達は特に行く宛てもなく、待ち合わせの場所にしていた王様の部屋でグダ〜っとしていた。

「あぁ〜〜〜〜〜〜」

王様はベッドの上で手足を大きく広げて伸びをした。顔には思いっきり「つまんねぇ」って文字が書かれている。

「これだから梅雨時ってのは嫌なんだよなー!じめじめするしよ!」
「仕方ないですよ。梅雨時ですから…。」

駄々をこねる王様を見ていると、遠足日に雨になって悔しがっている小学生のように見えてくる。
こんな大きな小学生…。
そう思ったらなんだか王様が可愛く思えてきて、俺の口から自然と笑いが漏れる。
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