小説(短編)A
□俺達の日常【和啓+中丹】
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今日は休日。
俺と和希はBL学園敷地内にあるテラスにて…まったりとお昼を過ごしていた。
和希と朝からずっと一緒にいられる休みはちょっと久しぶりで、俺は幾分か心が浮き足だっていた。
天気も良いし、風も穏やかだし、最高だ☆
俺は昼食用に持参したハニートーストにかぶりついた。
口の中でふんわりとしたハチミツの香りが広がっていく。
うん、うまい♪♪
上機嫌に俺は次のもう一口にかぶりついた。
そんな姿を見た和希がおかしそうに笑い声をあげる。
「ぷ、啓太…」
「え?」
振り向くよりも早く、ふと顔が近づいて…
瞬きをする間もなく和希は俺の口についた食べかすをペロッと舐め取った。
「!!」
「ごちそうさま」
「///」
俺は赤面して固まる。
満足そうに笑うその和希の笑顔に、俺は先程飲み込んだハニートーストが喉の奥で詰まった気がしてドンドンと自分の胸を激しく叩いた。
「はは。大丈夫か?ほら、飲み物あるよ」
そう言って飲みかけのペットボトルを手渡してくれる。
俺はそれを奪ってぐびぐびと勢いよく飲み干した。
「っ、はぁー!」
「ゆっくり食べなよ、誰も取らないんだから」
「今のは和希が悪いんだろっ!」
「そう?だって啓太可愛いんだもん」
だからそういうのが…!
っ、
たち悪いよな…ホント。
俺は言い返そうとしたが、どうも口で和希にかなう気がしなくて、敢えて言わずに言葉を飲み込んでしまった。