夢小説ショート

□拍手小話
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「ねえ、シカマル?」
「あ?」

コタツで。
丸くなりながら私は彼を呼んだ。

「今日は寒いね〜」
「だな」

冷たい。
澄んだ冬に包まれた街。


「なんだか…いいのかなぁ?」
「なにが?」

聞かれて、ちょこんと。
シカマルの肩に私は頭をのせた。

「私達だけ、こんなにぬくぬくしてて」

…それから。
イチャイチャしてて。

「たまの休みなんだから、いーだろ」

すると。
少し眉を寄せながら。

「ヘンなヤツ」

あなたはそう言って。
私を抱いてゴロンと転がった。

「シ、シカマル!?」
「あー、あったけぇ」

ぎゅう。

しっかり抱きしめられて、私は熱い位。

「オマエって…やわらかくて眠くなんな」
「ナニソレ?」
「誉めてんだよ」

……ま、いっか。

と。
思ったら。


「シカマル!?庭の掃除、終わったの!?」


あ、ヨシノさん!
ガラッと玄関が開く音がして、同時に少しコワイ、おばさんの声がした。


「寒いからってゴロゴロしてるんじやないよ!?たまの休みくらい、アンタも手伝いなさい!!」


……。

有無を言わせない迫力。
それに負けて。

私も手伝おうと。
シカマルの腕の中から、抜け出そうとしたけれど。


「少し、おとなしくしてろ」
「えっ?」


ぐいっ、と。
次の瞬間、私はコタツの中に引きこまれた。

『シカマルっ?』
『しいっ』

口を彼の手にふさがれて。
んんっ、と。
わめいた時、おばさんが居間に来た。


「聞いてるの!?シカマ…あら?」


『……』
『……』

狭いコタツの中で大接近。


「どっか行っちゃったのかしら…」


…ダメ。
こんなに近いと、心臓爆発しちゃう…


‐トントン、トン。


遠退いて行くヨシノさんの足音を、私はぼうっと聞いた。


「…よし、行ったな」


するとコタツ布団を上げて。
外の様子を見るシカマルに。

「ん?オマエ…真っ赤だぜ?どした?」

分かってるクセに。
とぼける彼を。

「…もう」

私は。
恨めしげに見上げた。

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