夢小説ショート

□拍手小話
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「…会いたいなぁ…」
「え?なに?」

いのに振り向かれて。

「あっ、ううん、何でもナイ!!」

私は慌てて首を振った。
私、声に出ちゃってた!?

「そう?じゃあ、またね」
「うん。またね」

ニッと笑ってみせて。
手を振れば行ってしまう彼女。

…ふぅ。

それから私は溜め息をついた。
そして、うつむいて。
道路の小石を見つめる。

胸に。
石が詰まってるミタイ。


「…どうしよ」


一人言。
灰色した言葉が、口から零れて落ちる。

つい、おととい。

会ったばかりなのに、もう会いたい。
声が聞きたい。

ぎゅ、って。

シカマルの腕にしがみつきたい。
でも。

任務もあるし。
友達付き合いだってあるし。

あんまり。
しつこくしたら、きっと。
きっと。
面倒くさがれちゃうよね。


「…はぁ…」


二つ目の溜め息で。
胸にたまった切なさが、空気中に吐き出されて行く。

こんなに。

好きになってしまったのは、アナタのせいなんだから。

アナタが。
シカマルが悪いんだからね…?


「へっ!?」


と、突然。
後ろから抱き締められて、私は顔を上げた。

「シ、シカマル!?」

振り向けば、彼。

「なに溜め息ナンカついてんだよ?」

眉を寄せてから。

‐ぎゅう。

シカマルは本格的に私を抱き締めた。

「く、苦し…」

その暖かい腕の中で。
私は幸せにもがいた。

「…会いたかった」

するとボソリ。
小さな囁きに。

頭が。
くらり、として。

胸が。
きゅん、と締め付けられて。


…ふー…。


3回目の。
深い溜め息は、アナタの胸に吸い込まれて行った。

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