日和 学パロ

□平凡な生活へ
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「閻魔この野郎。」
「ゴメン☆」

法隆寺に着き、閻魔を探しだすと、行き成りそう言った太子。そして、閻魔は全く反省していない様子で、心が入っていない「御免」を返す。

「曽良は覚えてたのに……」
「あ、曽良っち居たんだ!」
「うん。で、曽良が教えてくれた。妹子は覚えてないって」
「あー……うん、ゴメン★」
「うっさい。」

で、また何時も通りの会話をし、適当に法隆寺を見て回り、旅館へと戻る。
そして、昼食を食べ、また飛行機に乗り込み、学校へと帰る。
で、帰りの機内が、又もや滅茶苦茶の最悪な状況だった事は言うまでもない。

そして、学校に着いたのが午後の5時頃。閻魔と太子が「5時5分!ぞろ目!!」と叫んではしゃいでいたが、もう周りは無視。
と言うか、もうすっかり疲れきっていて、さっさと校長の話と引率した先生の話訊いて帰ろうぜーーーーってノリ。
そんな生徒が9割を占めていた為、凄く静かに、且つ暗く式を終わらせ、その場は解散となった。


「あーああ……閻魔のアホ…」
「まあまあ。その内思い出すでしょ。妹っちもさ〜」
「どうだか…だって、私達が昔の事覚えてるのだって、閻魔の力なわけだし。それが効いてないってなったら、前世の事なんて思いだす訳ないじゃんか」
「まーね。でもさあ、閻魔の力で思い出させる事も可能。」
「そんなの嬉しく…」
「ないでしょ?だから太子が自力で思いださせりゃいい話。」
「それ無茶だってぇ……」
「案外できるもんじゃない?冥界の大王が下界に降りるとかね」
「それは閻魔が論外なだけ!お前なんでもありじゃん」
「さあどうかなー?その大王の秘書も降りてますが」
「それも閻魔の無茶だろー」

と、まあお前ら何?って言う話をしながら歩く2人。別れ道で別れ、月曜にまたねー、なんて普通の挨拶をしながら帰って行く。

「……帰れるの?」
「今日は居ないから」
「…そ」

途中で閻魔が振り返り、太子に問う。その問いに、太子は苦笑いしながら返した。
なんだか腑に落ちない様子の閻魔をよそに、また、じゃーねと手を振って家に向かう太子。

「…………うーん……」

段々遠ざかって行く太子を見ながら、暫く考え事をするかの様にその場に立ち竦み、その内閻魔も歩き出した。

その表情は、高校に入ってからは見なくなった、深刻且つ暗い顔だった。
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