日和 学パロ

□平凡な生活へ
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「誰ですかあんた…」
「え、嘘」

誰だコイツ。
と言わんばかりの目で、太子を見つめる少年。
その少年の様子を見て、ポカンとする太子。

「嘘。覚えてないの!?」
「覚えてる覚えてない以前に…会った事が無いと思うんですが」
「またまたーっ!!閻魔とか鬼男とか曽良とかばっしょとか覚えてるでしょ!?」
「曽良…?河合の事ですか?ばっしょは…芭蕉さん?」

太子が、次々と知り合いの名前をあげていく。そして、その中に唯一知っている名前があったのか、茶色がかった髪をした少年は、太子に確認を取る。

「ああ、うん。河合曽良。ばっしょは松尾芭蕉だよ。鬼弟子に酷い目に遭わされる人。鬼弟子は曽良」
「…は?弟子?あの二人は義理の親子でしょう?」
「え…?あれ?違うよ。」
「は…?」
「義理の親子です。」

2人で全く噛み合わない会話をしていると、黒髪の少年が話に混ざってきた。

「曽良!!」
「河合!?」

2人で同時に声を上げる。

「何の用ですか。太子【先輩】」
「は、……え?太子?誰が」
「この人ですよ」

【河合曽良】と呼ばれた人物は、茶色の髪をした少年に言う。

「ああ、そうか…小野君は覚えてないんですよね」
「ええ!?マジでえええええええ!?」
「はい。閻魔さんのミスです」
「ちょっ……閻魔の野郎!あいつ逃げやがったな!?」
「ちょっ…待ってよ!河合は、何でこの人の事知ってるの!?」
「大分前からの知り合いです。親戚に会いに行った時、近くの家に住んでいて、それで知り合いました」

そこに太子も混ざり、閻魔との時より遥かに訳が分からない会話になり、茶色の髪をした少年が、曽良に問う。
で、曽良はその問いに、思いっきり適当に返した。

「……曽良、お前…相変わらずだな。」
「どうせなんで、少し…遊んでみようかと…」
「あー、うん。相変わらず鬼だわ」

で、また意味不明な会話をする。

「じゃ、小野君。そろそろ行かないと…」
「え、あ……うん」

【小野君】と呼ばれた茶色の髪をした少年は、曽良に言われ、太子の学校とは別の制服を着た学生の群れに混ざって行く。

「じゃ、太子【さん】。【妹子さん】はそっちの高校に引っ張っていきますから」
「おー、頼んだ〜」

で、曽良が昔の事を覚えていた、と言うのを、今の会話のどこで確認したのか知らないが、まあ、曽良は覚えてて良かった、と呟き、ご満悦な表情で法隆寺へ向かったのだった。
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