Book2

□白い夜空と黒い星 第四章
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あのあとすぐホテルに戻り、シャワーを浴びた。
涙でぬれた顔を隠したかった。



その後食事場へ案内されたが、今は食欲なんてない。
思い出すのは、万事屋で3人で囲んだ食卓。

思い出すのは、あの頃の笑顔。


だがすぐに、その顔は泣き顔へと変わる。





「…ッ」




とりあえず今日はもう寝てしまおう。

そう思い、銀時はベッドに寝転がり、そのまま眠りに落ちていった。



 










――――――――――――――――――――――――――――――………………


曇天の空の下

銃声と爆発音、叫び声、血しぶきが飛び交う。






「チッ!!一旦退け!!作戦をたてなおすぞ!!」



天人の1人がそう叫ぶと、全員が戦いをやめ、退散して行った。



「てめーら待ちやがれェ!!!!」

「待て晋!!深追いするんじゃなか!!」


「ふぅ…今日はこれで終わり…か…?」



最強の武神。

桂小太郎

高杉晋介

坂本辰馬



そして―――…





「ッ!おい!銀時は!!!?」





「高杉さん!!隊長が…!」


「!? 銀時がどうかしたのか?!」




3人が白夜隊の1人について行くと、しゃがみこんでいる銀時がいた。
だが、断じてそこから動こうとしない。
どこか一点を見つめていた。


「銀時!どうした?怪我してんのか!!?オイ辰馬ァァ!!救護班呼べェェェ!!!!!!!」


「落ち着け晋介!!銀時?どうしたの……だ?」

「何じゃ?」




3人が銀時に近づくと、手には幼い子供が抱きかかえられていた。
どうやら意識はないようだ。



「子供ッ…?」

「何でこんなとこに…」


混乱していると、今まで黙っていた銀時が口を開いた。


「こたろ。コイツ、なんか天人に殺されそうになってたんだよ。なんで子供がこんなとこに居んのかよく分かんねぇけど……。
俺らで引きとっちゃ駄目か?
このままほっといたら死んじまう」











 
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