ふたりだけの海 〜マイナス〜

□狂気 〜Princess side〜
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王子は言ってくれました…




「姫はかわいいね…」


「王子…ありがとうございます」

私は照れながら返事をしました。




「それに姫は心もかわいいんだよ。知ってたかい?」


「え…」


「この場合心が綺麗って言った方がいいかな」


「……私は綺麗ではありません…」


「…どうしてそう思うの?」


「王子は知っているでしょう…?私はわがままで…汚なくて…醜い…」


「姫は綺麗だよ」


「……」




王子の眩しい笑顔に私は何も言えませんでした。












私は太陽の光が苦手です。


私には眩しすぎるから…



だから王子も眩しくて…








王子は光…


そして私は闇…



私達はふたりで一つ…


ふたりいなければ成り立たない…


何も生まれない…













王子はとても優しい…




けれど…


王子は狂っている。



時々とても恐ろしくなる…






見つめられると目線が離せなくなって…


そのまま殺されるんじゃないかってくらい…



一度怒ると抑えられない…


王子の力は私よりも強いから…











でもね…



王子は狂ってるけど…


私はもっと狂ってるのよ。






王子は光に恵まれているけれど…


私には光はこない…


真っ黒のまま…




だから私はずっと狂ったまま…













光なんて…



大嫌いよ。


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