「帰れーっ!!」
という,アパシーの怒声が響いてから5日が過ぎた。
そのアパシーはイグノランスに愚痴を言い続けていた。
「ぜってえー有り得ねえあの娘。一体,何考えてやがる」
「私に言われても…スノウさん曰く,『夫探し』に来たとか」
「はあ!?お前,あいつの言ったことを信じたのかよ」
「アパシーは信じてないの?」
疑う余地などないとばかりの表情のイグノランスに,アパシーはガックリ肩を落とす。
これだから常識知らずのお坊ちゃんは…と心の中でのみ毒を吐いておく。
「あのなー,すこーしばかし考えてみろよイグノランス。俺ら7人のことを,よーくよーくな」
「私たちのことですか……………………………………………」
あまりにも長い沈黙が続き,さすがに頭にきかけた頃。
イグノランスはようやく思い浮かんだらしく,言葉を発した。
「…全員,夜行性?」
「…たーしーかーにー,俺らは全員夜行性に等しい生活おくってるがっ!!
それとあいつの話の真偽にどう繋がりがあるのか今すぐ言ってみやがれっ!」
「………ええっと,夜行性の男性が好みだから?」
「このクソ真面目野郎が…,んなわけあるかーっ!!
俺ら7人まともな人生おくれてねえ,言わばダメ人間!
に加えて性格に一癖も二癖もある奴らばっかだ!
そんな奴ら旦那にしたいなんて頓珍漢な考えをもつ女がいるわけないだろっ!」
アパシーの魂からの叫びにイグノランスは,思わず何度も頷いた。
アパシーの考えを理解したと分かってもらえないと,なんだか怖いことになりそうだと思う本能に促されて。
「じゃあスノウさんは何でそんな嘘を?」
「だから,あいつは一体,何考えてやがるって俺が言ってたんだろうが」
というか,イグノランスに相談なんかしてしまった自分自身が一体何を考えいるんだ。
イグノランスに相談する=答えは迷宮入り。
という公式を知っていたのに。
「やべえ,俺かなり疲れてるわ」
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