時刻は,真夜中。
場所は,森の中。
現状,迷子。
「最悪に近い状況ですわね…」
スノウは疲れきった声で言った言葉は,森の静寂にのまれていった。
何故,こんなことになったのだろうか。
始まりは,城を家出して『小人』の住まう家にいくと決めた時からだろう。
ただ城を出ては捜索されたり,連れ戻されたりしてしまうと考えたスノウはある作戦をたてた。
その名も
「間違えて毒リンゴを口に入れてしまいましたわ
〜身体を森に搬送してね〜」
大・作・戦。
作戦名を言った瞬間,レカンとお父様は思いっきりずっこけていた。
ともあれ作戦は実行された。
まず信頼できる部下に,ルーナティックにそれとなく毒のリンゴをスノウに送るよう誘導。
そして送られてきた毒リンゴを食べたふりをして,一時期に仮死状態になる薬を飲む。
あとは,スノウの身体と荷物を森に運んでもらい隠蔽完了。
スノウはその日の内に『小人』の家につく予定だった。
の,だが…。
途中から方向と道を見失ってしまい,迷子。
うろうろしているうちに日は落ち,周りは闇につつまれてしまった。
普段から歩くことも,身体を動かすこともあまりないスノウは体力が限界だった。
「どこ…か……休む,と……」
そのまま,意識失った。
だから,スノウは気づかなかった。
彼女に近寄る二つの影に。
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