その日,雪の降り積もった庭で王妃様は針仕事をしていました。
もうじき生まれてくるお腹の赤子のためにです。
王妃はどんな赤子が生まれてくるか楽しみで仕方がありませんでした。
未来を想像していると,思わず手を滑らし指に針をさしてしまいました。
指から落ちた血が真っ白な雪の上に染みたのを見,王妃は思いました。
(雪のように白い肌、血のように赤い唇。髪は黒檀のように黒色をした子が欲しい)
そして月日は流れ,王妃は元気な女児を出産しました。
生まれてきた子は,
雪のように白い肌
血のように赤い唇
黒檀ように黒い髪をしておりました。
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