Dust Box

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SPECIAL THANKS!


部屋中に香りが広がり
体中から血の気が引くような気がした


ああ、私はこのまま朽ちていくのだろうか
今更、もう無理、とか言う気はさらさらない




なんというか、本望だと思う




純血の君に血を吸われ
そのまま死んでいくなんて

私にとってはこれほどまでに無い幸せな死に方だ


だけどいつも、枢は直前で止める
今日はいつよりも長かった気がする
・・・その、きゅうけつこういが



「・・・なんで」
「君が好きだから」

意味がわからない
そうわかったのか枢は口を開く



「君の、意識が途切れる直前の顔、大好きなんだよ」

思わず自分の顔が歪んだのがわかった
「喜んで、いいんですか」
「いいんじゃいの?」

血を拭いながら、軽く微笑む

「その趣味、どうにかしてくれませんか」
「いいね、その冷めた瞳もそそるよ」


・・・・・・・・


「枢って、変態、だったりする」
「それは酷いよ」


はぁ、
そりゃため息も出るよ
はじめの雰囲気ぶち壊し


「でもいいの」
「なにが?」


枢は顔を覗き込む


「私は・・・私は、そんな枢が大好きだから」

そう言って静かに枢に近づく
至福の時を手に入れるために


「どうぞ?」


枢の声が響く
そうね、あなたが変態と呼ばれるなら
私は何になるのでしょうね

・・・私は、
と思ったけど言わないでおくわ

私もあなたの意識が飛ぶ直前の顔を見ようと思うから
「その顔、・・・大好きよ、枢?」

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