Novel

□第一章
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SIDE:Kaya-Rouse-

―ガバッ
だんだんと遠ざかって行く穏やかに笑う人に夢中で手を伸ばすと、唐突に目が醒めた。


ゆっくりと周りを見回せば見慣れた寮の部屋(寮といっても金持ちの私立校だから、マンションの様な豪華さがある。共有スペースと名付けられたリビングや、簡易キッチン。2人部屋にする意味があるのかもわからない2つある寝室……中で分けるくらいなら初めから1人部屋にすればいいのにと思うのは僕だけだろうか)が目に入った。

 ベットの近くに置いてある時計は午前2時30分を指している。

いつもよりかなり早い時間に目が醒めたようだと、すっかり覚醒してしまった頭で考え、夢見の悪さを呪う。

あの人はもういないのに……。

彼女の夢を見ただけで取り乱す自分の女々しさが疎ましい。

カーディガンを羽織りながらベットを降り、隣の部屋で眠る同室者を起こさないようにそっとドアを開けて寝室(兼勉強部屋)をあとにした。



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