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□†いま会いにゆきます・第二幕
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《プロローグ》
『お前の言っていた『使命』・・・刻がくれば・・・教えてくれるか?』
『・・・お約束いたします・・』
そうだ。俺はあの時約束したんだ。
あの月光の下、俺の事を慮(おもんぱか)って、猶予をくれた優しいあの人に。
ちらり、と隣の部屋に目を向けてから、俺は受話器を取ると、覚えている複雑なコードをプッシュしていった。
入力後、少し間を置いてから、相手方のコールが聞こえてくる。
しばらくして、鳴っていたコール音が、不意に途切れた。
『・・・おう、久しぶりだな』
約一年振りに耳にするその声に、俺は思わず、ピッと姿勢を正した。
「・・・お久しぶりです」
『どうした急に?なにか組織で起こったのか?』
「いえ・・そういうわけでは・・。ですがそれ以上というか・・・」
こちらを気遣い伺うような声音に、少しだけ、混乱していた頭が落ち着いていく。
まだ自分自身何も分かっていないが、それでもたった一つ確実なことがある。
俺はゆっくりと息を吸い込むと、意を決して言葉を紡いだ。
「・・・一年程前、守護者6人でボスの葬儀の段取りを決めていたこと・・覚えてらっしゃいますか?」
『いま会いにゆきます・第二幕』
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