□† 真昼の決闘
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「・・・ここで、あなたとこうなるとは、ね」
「・・そうだね。でも結局・・・相容れないものなのかもしれない」

だって、譲れないから。
そう言って骸とツナは、不敵にに微笑みあった。
じりじりと対峙したまま。


『真昼の決闘』



・・・あの時もこうして対峙していたんだったっけ・・・。
つっと流れる頬の汗を自覚しながら、ツナはふと思い出していた。
黒曜ランドにおける最初の出会い。
初めての、命をかけた極限の戦い。
そうあれが最初だった。

「・・・思い出すね、骸。あの時もこんな風に緊張してたよ俺たち・・・」
「・・そうですね・・」

敗けた時の事はあまり思い出したくないのですが。
その言葉を聞いてツナがクスリと笑いを零した。
だがすぐに表情を戻すと、スッと視線を骸に戻した。
真剣な眼差しで。

「・・・今、あの時と変わらないくらい緊張してるよ・・・」
「・・・僕もですよ」

すうっと骸が心持ち後ろに体重をかける。
それに敏感に気付いて、ツナも同じように重心を移動させた。

「いつまでもこのままでいるわけにもいかないでしょう・・・。そろそろ終焉といきましょうか・・・」

そう言って笑った骸の右目に、不思議な炎とともに浮かび上がるは、彼の象徴『六』の文字。
それを見て、ツナの顔がより緊張を帯びる。

「本気・・だね。でも俺も引かないから。幻術は効かないよ?」
「無論です。こんな時にそんなモノを使っては失礼ですから」

正真正銘真っ向勝負です。
ニィッと口の端を上げて笑う独特の笑顔。
本気の笑顔。

「・・・じゃ、いくよ・・・?」
「はい、いつでも・・・」

即座に張り詰める空気。
これが最後の勝負だと二人ともわかっていた。
チリチリと爆ぜる寸前の緊張の糸。
ギシリッと、空気が軋んだ音がした感覚に、その一瞬は訪れた。
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