陰る明光の物語

□陰る明光の物語 二
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南門の破生門に辿りついたエンレイと慈前守は、噂通りの有り様に顔を歪めた。
山積みになるのは腐敗した死人、烏が肉片を啄み、闇の気配が立ち込めるこの場所からは誰も近寄らないし入って来ない。

慈前守は真っ青になりながらエンレイにしがみつき、さすがの彼女も一歩を踏み出せないでいる。
けれどもここまで来たのならば、闇の気配を探らなければならない。

もとよりエンレイはそれが目的であり、慈前守も妖怪の退治が目的なのだ。


「…おれ、この場所嫌いだ…」


「…わたくしもです…」


陰る明光の物語
〜一寸先は闇〜




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