ツバサⅠ
□届かない…
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貴方はあの時から居なくなった。
でも、私には貴方しか居ないの。
なのに、なんで私はもう一人の貴方に惹かれるの？
この前貴方と間違って彼の唇と重ねた。
温かくて、優しくて…
全部、全部貴方の思い出を重ねてしまった。
桜都国・紗羅国・修羅国とレトルト国。
そして、一番思い出深いジェイト国。
私を助けて、守ってくれた。
でも、〝東京〟でバラバラに引き裂かれた。
彼には〝本当のサクラ〟が居ると知って我儘をいってキスをして貰った。
彼のキスは〝私〟じゃなくて〝本当のサクラ〟に向けているものだった。
幾度の移動をしても、私と貴方は身体を重ねた。
もう一人の貴方との思いを裏切って。